ラノベ資料発掘所

本をあまり読まない筆者が、読んだ本のレビューやら考察やらを書いていくブログ

クリエイターとプレイヤーのためのファンタジー辞典

珍しく普通の本屋に行きました。

もちろんブックオフじゃないところです。中古本屋は手放された本しかないので、こういうファンタジー辞典など、参考資料になるものはマニアックなのか、少ない傾向にあるようです。

 

うちの近所では。

やっぱり地方だからなのかなー。どうなんだろう。

 

良い本をすぐに、高めの金額で買うか。(新本)

安い金で時間をかけて、掘り出し物を狙うか。(中古本)

 

……うーむ。

まあ、ネットの中古本だったら目的のものをすぐに買えるけど。

できれば本屋に行って、選んで買いたいタイプです。

 

 

 

本題に入ります

今回買った本は

「クリエイターとプレイヤーのためのファンタジー辞典」

 

 

f:id:mikageriki:20160309080552j:plain

 

こういう本って2パターンあるんです。

萌え絵を前面に押し出してくるのと、説明を前面に押し出してくるの。

 

この本は後者で、説明が基本です。

情報で勝負。中身は冒頭以外、白黒印刷です。

 

ですので、ラノベ書きじゃなかったら、ちょっと読みにくい内容です。

やっぱり絵がある方が盛り上がる!! って人とか。

設定を読み込むのが好き、って人には向いてないかも。

 

逆にラノベ書きにはいい本でしょう。

実際に起きたことをメインとしているためです。

いいネタの宝庫です。

 

領主や農民は実際どのような暮らしだったのか。

傭兵とはどんなものだったのか。

そのような創作に基本なことが広く浅く書かれています。

ただ、詳しく知りたい人には物足りなさそう

 

 

細かい構成

全7章に分かれています。

 

・地理と国家

四大文明のところから中世まで、創作に便利なポイントを重視する印象です。

 

・集落と冒険

物語の舞台にしやすい場所が載っていました。控えめにですが。

 

・武装

実際にあった武器と防具がイラスト付きで紹介されています。

 

・魔術

四大元素錬金術など、有名どころは抑えられています。

 

・神と宗教

神話や宗教を一通り紹介されてます。

 

・日常生活

意外と一番ためになった章。一般人の行動ルーチンを考えるのにはいいかも。

 

・怪物と幻獣

ファンタジーの花形だけに、ちょっと物足りない感……。

 

「武装」以外は、1項目ごとに見開き1ページで説明がされてました。

 

 

感想

読み物としては物足りない!!

深く知りたいと思う項目があっても、だいたいは見開き1ページで終わります。詳しく知りたかったら自分で調べるしかないです。

どんな項目でも同じくらいの文量なので、初心者向きということでしょうか。

 

ただし、すごいと思ったところを一つ。

史実に忠実。データを文章にしたような感じ。

淡々と説明されるそれは、そのものを楽しむというよりは創作の礎となるような。

 

派手さはないのですが、それは確実に人間が歩んできた道。

 

地に足の着いた内容で、創作の地盤を現実で固めるのならば、いい下地をくれる本だと思います。広く浅くなので、深く知りたいときには使えませんが、調べるきっかけにはなります。

きっちり設定を組む、その足がかりにはなるかな……と。

 

あと。

砂漠は直射日光が辛いから薄着はしない、と、この本でも書かれているのに。

冒頭のイラストで、砂漠なのに女の子が薄着なのはなぜだろう。

オアシスで水浴びをしているからだろうか。

 

 

最終評価

勧められる人

・創作初心者

・ご都合主義になりやすい方

・現実の下地をしっかり描きたい方

 

勧められない人

・知識を持っている方

ラノベとは現実を見ないものだと考える方

・そもそもラノベに興味のない方

・可愛い萌え絵が見たい方

 

小説参考度、★★★★☆

 私はこれ読んでアイディアが燻りました。小説の発想元ネタとしてがいいのかも。

盛り上がり度、★☆☆☆☆

 徹底的に参考資料!! 派手さなど要らぬわ!!

きっかけ度、★★★★☆

 広く浅くなので何かを調べるいいきっかけになります。

 

総合評価、★★★★☆

 この本自体は盛り上がりに欠けます。ですが、現実に必要なことは書いています。小説はゲームではありません。時には現実味が必要になるでしょう。

 そんなとき、実際に起こったことを元ネタにします。その足掛かりになる本でした。

 

 蛇足。

 この本の評価は3.7くらいです。四捨五入で★4にしました。

 理由は新本でも値段が低かったためです。