書く力を付けるため、文章を論理的に感覚で捉えてみる
無数の本がある一方で、どうしても目立たない本も出てきます。
本当は価値があるのでしょうが、古本屋などでは最安値をつけられることも。たまたま人気が出なかったり古くなってしまった本たちです。
そんな最安値系列から一冊。
月並みなタイトルですが、
「書く力をつける本」です。
あなたは言葉を身につけているのか
あなたは日本語をどこで習ったのでしょう。
家庭や学校、社会の中で自然に身についた。そう答える人が多いかと思います。
では、作文は得意でしょうか。
もしくは、言葉で意思を伝えられるでしょうか。
あまり上手くいかない。
だからこそ文章上達のハウツー本が存在するわけです。
普通の人は、言葉を獲得するために悪戦苦闘したことがないのですから。
まずは、意識的に本を読むこと。
このよく言われる教訓は、そんな意味が隠れているのです。
書くことに慣れはない
どんな著名な物書きでも、何を書くかということに悩むということは平等。
この本はそんな言葉で始まりました。
どんな文章であれ、相手の知らないことを書きます。しかし、人間は新し物好きではありますが、保守的です。新しいものには抵抗があります。
それを相手に教えるためには多かれ少なかれ『説得』という意図が必要になります。
説得力という衣装を着こんだ言葉は、見栄えが良いので相手に受け入れられます。
しかし、決定的な形というものはないので、どんな人でもその装いに悩む。そんなわけです。
一応、その衣装を考える条件というものはあります。
・事実を調べること。
・事実を順序立てて、誤解を呼ばないように気を配ること。
・中身をはっきりさせること。
・「わかりきったこと」から少しでも前に出ること。
・自信を持つこと
もちろん多読、多作、多想といった基本的なことありきですが。
例えるのなら水の流れのように
人はあまり長い文章を読んではくれません。
また、メンドウな雰囲気を見ただけで帰ってしまいます。
そんなわけで歯切れよく進め、ここぞというときにガラッと雰囲気を変えてしまうのです。
ぽつりぽつりと独特な言い回しでその場を保ちつつ、一番の見せ場へ。
ただし、ただ一直線というのも芸がないので、少しは寄り道をするのもよさそうです。
辞書は書くことへの助っ人
言葉に携わる者のマナーとして、辞書は読んでおいた方が良い。
こちらの本にはそのように書かれていました。
しかし、あの分厚いものを読むというのは根気のいる作業です。
引くのならば簡単にできますが、読むとなるとあの重量感が気力を奪います。
が、語彙力を増やすためにはこれ以上のものはありません。
私が文章を打つときは、ネットで単語を調べるというやり方をしていますが、まばらに憶えている意味を正すことくらいしかできないです。
ううむ。
日本語を真っ向から受け止めるのは難しい。
なにせ、外で辞書を読み込む人は目立ちますからね。必然的に室内用。
終わりに
前にも文章上達系のハウツー本を読みましたが↓
今さら人に聞けない、文章のルールを学ぶ - ラノベ資料発掘所
今回の本はわりと違った印象を与えました。
あちらが基本的なテクニックなどを個別に解説しているのに対し、こちらでは著作を引用して分析しているのです。(引用の引用をするわけにもいかないので、このブログには不向きでしたが)
つまり、『単語』と『文章』の違いです。
今の時代、文章力といったらビジネスに繋がるものと考える人が多いかと思います。そういう方々はテクニックなどを吸い寄せられるように買うでしょう。
その人口は小説を趣味としている人よりも多いです。
ですので、テクニック本が売れるわけです。
良作が隠れる理由が分かったところで、もう一度考えてみましょう。
単語で終わる言葉はありません。
人を説得させうる力を持つのは文章です。
この本だって、私が紹介したのは前半の半分、しかもさわり程度にです。
人気が高くて高価な本一冊よりも、直感で選んで数多くの本を読んでみてください。相当ハズレな本でもない限り、その方が効果があるかと思います。
私はとかく辞書を読んでみようかと思います。
ああ、何とか楽に読める方法がないのかなあ。
……だから小手先なテクニックのハウツー本が売れるわけですね。
人間は面倒なこと、したがらないから。
参考図書
「書く力」をつける本
【古本】書く力をつける本/千本健一郎【中古】 afb |